大判例

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最高裁判所第二小法廷 昭和24(れ)1129 判決

主 文

原判決を破棄する。

本件を福岡高等裁判所に差戻す。

理 由

弁護人前野順一提出の上告趣意について。

原判決は所論刺身庖丁(証第一号)の存在を他の証拠と綜合して断罪の証拠に供

していることは、原判文上明らかである。しかるに原審第一回公判調書において刺

身庖丁云々との問答の記載はあるが(記録二五八丁裏)、刺身庖丁そのものを被告

人に示した記載はなく、又同公判調書によれば刺身庖丁に関し司法警察官作成の押

収調書に対し証拠調が為されてはいるが(記録二六一丁裏)、右は刺身庖丁それ自

体に対する証拠調べでないことは論をまたないところであつて、その他は原審公判

調書の何処にも刺身庖丁それ自体に関し旧刑訴第三四一条所定の証拠調を履践した

形跡がない。しからば適法な証拠調をしない所論刺身庖丁(証第一号)を他の証拠

と綜合して断罪の資料に供した原判決は採証の法則に違反した違法の判決であつて、

論旨は理由がある。そして右の違法は本件事実の確定に影響を及ぼすこと明らかで

あるから、原判決はこの点において破棄を免がれない。

仍つて刑訴施行法第二条並びに旧刑訴法第四四七条第四四八条の二に則り主文の

とおり判決する。

この判決は裁判官全員一致の意見である。

検察官 茂見義勝関与

昭和二四年一一月二六日

最高裁判所第二小法廷

裁判長裁判官 霜 山 精 一

裁判官 栗 山 茂

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裁判官 小 谷 勝 重

裁判官 藤 田 八 郎

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